フィンランドの豊かな自然や幼少期を過ごした愛媛県砥部町の風景を創作の源として、意欲的に新しい表現を追求してきた石本藤雄。世界中に多くのファンをもつフィンランドのライフスタイルブランド「マリメッコ」にて32年間で400点を超えるテキスタイルデザインを生み出したのち、同国の老舗陶器メーカー「アラビア」のアート部門に所属し、77歳を迎えた現在も陶芸家として数多くの作品を発表しています。
本展では、石本藤雄の原点と新たな作品を展示、石本の故郷である愛媛(愛媛県美術館・砥部町文化会館)を皮切りに、京都(細見美術館)、東京(スパイラル)の3都市を巡回します。
1941年愛媛県砥部町出身、フィンランド・ヘルシンキ在住。1970年にフィンランドに移り、1974年から同国を代表するライフスタイルブランド「マリメッコ」で32年に渡りテキスタイルデザイナーを務める。現在はフィンランドの老舗陶器メーカー「アラビア」のアート部門の一員として陶芸制作に取り組む。カイ・フランク賞、フィンランド獅子勲章プロ・フィンランディア・メダル、日本では旭日小綬章など多数。
本展では、マリメッコ時代に手がけたファブリックを森に見立てた大胆な展示のほか、日本の風土に改めて思いを寄せる侘び寂びの情景を映した近年の陶作品のインスタレーションなど、石本の幅広い表現力に迫ります。会期中は、石本デザインの復刻テキスタイルがスパイラルカフェを彩り、限定版画やグッズの販売など、作品とともに暮らす豊かな日常を希求する作家の思いにあふれた贅沢な時間となりました。
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